日本の神社の歴史を紹介

最終更新日 2024年4月30日 by prof

「神社の歴史が知りたい」
「伊勢神宮ってどんな役割なの?」
「神社本庁の実態とか所在地を知りたい」

お正月には初詣をしたり、受験の時には合格祈願に行くなど、神社は日本人にとってとても身近な存在です。
困った時は神頼みという言葉があるように、神様は超越した力を持つ存在と考えられてきました。
お宮参りや七五三などには、子どもの健やかな成長を願って参詣をしたり祈祷をしてもらうこともあります。
また、神前式など和の結婚式を行うこともあり、特別な節目の日を祝うのに相応しい場所でもあります。

神道は開祖がいるわけではない

では、神社が生まれたのはいったいいつの頃なのでしょうか。
神道は日本に昔からある宗教ですが、仏教やイスラム教のように開祖がいるわけではありません。
自然に根差した民族的な宗教で、神様を祀る場所は古くから存在していました。
大きな岩や山、大木などには、神様が降りてくるといわれていたのです。
日本では森羅万象に神が宿ると考えられていました。
信仰そのものが自然なものだったので、神道という言葉が生まれたのは仏教が伝来してからです。
中国から伝わった仏教と区別するために、神道と呼ばれるようになりました。
古代、神様が降りる場所には神聖なものとして祭場が設けられるようになります。
これが神社の歴史の始まりです。
通常の場所と区別するために縄を張ったり、石で囲ったりしていました。
それに雨や風などをさける目的で、建物も建てられるようになりまます。
仏教が伝来したことで、中国の寺院建築などの文化も日本に入ってきました。
その建築の要素を取り入れ、「社殿」や「宮」等が作られるようになります。
そして、徐々に現在の形へと進化していったのです。

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神道と仏教の関係

奈良時代になると律令制が整ったこともあり、人々が集う場所になっていきます。
中央政権は組織化を積極的に進めていきました。
多くの人が集まる神社を掌握することが、人々を掌握することにもなったのです。
また、日本の宗教において神道と仏教は、神仏習合という考え方があり明確に区別されているわけではありませんでした。
寺院に神様が祀られていることもあれば、社殿に仏様が祀られていることもあったようです。
神仏は同格として扱われました。
神仏習合といっても元々は神の方が主で、仏の方が従うものとされています。
ところが次第に寺院の力の方が大きくなり、徐々にその力関係は逆転していきました。
また、平安時代頃までは、神道ではその土地の氏神様を祀っています。
平安時代の中期になると、土地は関係なく信仰が強い神様を祀るようになります。
稲荷や天神、八幡などもそれによって誕生しました。

鎌倉時代から室町時代にかけては幕府が社寺を保護

鎌倉時代から室町時代にかけては、幕府が社寺を保護しました。
寺社奉行人という役職が存在しており、様々な事務手続きを取り仕切っています。
ただし、社会情勢が不安になり戦国時代に突入すると、国に社寺を保護する力はなくなります。
戦禍に巻き込まれ荒廃してしまったところもあります。
織田信長や豊臣秀吉といった天下人は、積極的に社寺を保護しました。
造営費を寄進するなど、再建にも尽力しています。
これは国を安定化させるための一つの方策で、織田信長などは自分に歯向かうと分かれば容赦なく切って捨てました。
江戸時代に入ると、徳川幕府は神道ではなく仏教を国策として手厚く保護しています。
それぞれの地域に寺院を建立し、組織化を進めました。
人々が檀家として寺院との結びつきが強くなることが、国家の安定にもつながると考えたからです。
かといって神道が排斥されたわけではなく、大衆の信仰として地域に根差していきました。

伊勢参りとは伊勢神宮に参詣すること

農業が主流の日本では、収穫の際には自然の恵みに感謝してお祭りなどが行われています。
また、江戸時代には伊勢参りが流行しました。
伊勢参りとは伊勢神宮に参詣することをいいます。
農民の移動などは厳しく制限されていた時代なので、旅行などはあまり行うことができませんでした。
しかし、江戸時代になると富裕な商人なども多くなり、旅をしてみたいという人も多くなっていたのです。
伊勢参りは、そういった人々の旅の名目としては最適でした。
一生のうち一度は行ってみたいのが伊勢参りだったのです。
神仏分離が進んだのは、明治時代に入ってからになります。
徳川幕府の時代には、国策として仏教の方に比重が置かれていました。
明治時代に入ると、政府は神道を国教化しようと考えます。
そこで、神仏分離の政策を打ち出したのです。
それにより神社と寺院も明確に区別されるようになりました。
そして現代になると、憲法によって信教の自由が保障されます。
日本では八百万の神というように、色々な神様がいると考えられてきました。
そのためお葬式は仏教で行い、初詣やお宮参りといった神道の行事も行ったりします。

まとめ

クリスマスやハロウィンをお祝いするなど、外国から伝わったイベントもあまり宗教を意識することなく楽しんでいます。
結婚式もウェディングドレスを着て行う教会式が主流でしたが、最近では神社で行う和風の結婚式が人気となっています。
日本の伝統の良さも見直されてきているのでしょう。

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